2008年07月10日

コンスタンティン(CONSTANTINE)

B0009Z1B1Sコンスタンティン
キアヌ・リーブス フランシス・ローレンス レイチェル・ワイズ
ワーナー・ホーム・ビデオ 2005-09-02

by G-Tools


フランシス・ローレンス監督/2005年/121分
原作:DCコミックのアメコミ「ヘルブレイザー(Hellblazer)」

戦う自己チューエクソシスト探偵の冒険物語。他人には見えない険しい「山」を登ってきた男。頂上まであと1年。そこに待っているのは絶望。暗闇の山道に一筋の光。「山」が見えるという相棒を得て登り続ける男が頂上で遭遇する、この世の均衡を破る秘密の計画とは? ロンギヌスの槍。黙示録。ルシファー。蛇。 

Story(ストーリー)
―――――――――――――――――――――
超常現象専門の探偵コンスタンティンは仕事を片付けていきます。でも今回はいつもとなにかが違う。異変を感じ取ったコンスタンティンは、地獄の住人が人間の体を媒介にして地上に進出しようとしていることを
知ります。
そんなとき、妹の自殺の謎を解明しようとする刑事・アンジェラと出会います。アンジェラこそ、この異変の鍵を握る女性だったのです。


Main Character(主な登場人物)
―――――――――――――――――――――
△ジョン・コンスタンティン
 超常現象専門の探偵。進行性末期肺ガンで余命1年。ヘビースモーカ
 ー。小さな頃からこの世に属さない者の姿が見える。
 自殺を試みたことから地獄行きが決定済み。だが地獄行きを逃れるた
 めに悪魔退治をする。

△アンジェラ・ドッドソン/イザベル
 LAの女性刑事。双子の妹イザベルの自殺が不自然と感じ、コンス
 タンティンに調査を依頼する。
 
△チャズ
 コンスタンティンの助手。LAのタクシー運転手

△ヘネシー神父
 アルコール中毒の神父。コンスタンティンの仲間。

△バルサザール
 ハーフ・ブリード。地獄からの使者。

△ガブリエル
 ハーフ・ブリード。天国からの使者。マリアに受胎告知した天使とは名前が同じなだけで別。


コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
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戦う自己チューエクソシスト探偵の冒険物語。他人には見えない険しい「山」を登ってきた男。頂上まであと1年。そこに待っているのは絶望。暗闇の山道に一筋の光。「山」が見えるという相棒を得て登り続ける男が頂上で遭遇する、この世の均衡を破る秘密の計画とは? ロンギヌスの槍。黙示録。ルシファー。蛇。 

■ アンチヒーロー! コンスタンティン 

映画におけるヒーローの変遷。これを辿っていくとおもしろいことが見えてきます。映画におけるヒーロー像は、作品が作られた国と時代の雰囲気を反映するからです。

コンスタンティンはオーソドックスなヒーロー像とはかけ離れています。ジェントルマンの対極のような男です。

先にエレベータに乗っていたコンスタンティン。ドアが閉まりかけたときにアンジェラが、すみません乗りまぁす、ってかんじでやってくるのですが、コンスタンティンは乗せてあげません。

欧米社会でちゃんとした男性はジェントルマンとして振舞うようにと子どものときから教えられます。いわゆるレディーファーストみたいな精神ですね。

映画でこんなシーンを観たことはありませんか。エレベーターに男ばかりが4,5人乗っていてみんな帽子をかぶっています。途中の階から女性がひとり乗ってきました。すると男たちは帽子をとるのです。

そんな社会にあって、女性をエレベーターに乗せてあげないばかりか毒づきます。
信じられない! ちょ〜かんじ悪い奴ぅ。とアンジェラは思ったことでしょう。


■ 弱さをもった主人公 

では、なんでそんなコンスタンティンがヒーローなのでしょう?自己チュ―でシニカルで毒舌なコンスタンティン。実際にそんな人が身近にいたら、友達になりたいとは思わないけど、距離をとってみるぶんにはちょっと気になります。

ほら、危険な香りのする男(女)ほど魅力があるというでしょ? ファミリアでやってきたグレーの背広の男より、アルファロメオでやってきた革ジャンの男(←これもどうかと思うけど……笑)。どっちが気になる(おもしろそう)かっていうと……。

革ジャンの男はけっこう男前。もしそれがキアヌ・リーブスならなおさらですね。

コンスタンティンは子供の頃からこの世に属さない者の姿が見えちゃうんです。

「シックス・センス」の「I See Dead People」じゃありませんが、この世に属さない者の姿が見えちゃうと、他人と共感することができません。

だって他人は、自分が見えているものが見えないんですから。境遇が違いすぎると、共感ができないんですね。

ほら、山登りの道ですれ違う人と挨拶することってあるでしょ。全くしらない人だけど、共通の場(山)で共通の体験(山登り)をすると、自然と共感という感情が芽生えるんです。

コンスタンティンが登っている山って、他人には絶対見えませんから。しかもその山って超険しい。とてもひとりでは登りつづけることはできない、そんな山です。

かつて、この険しく辛い登山の途中でコンスタンティンは足を止めてしまいます。その2分後、またすぐに山登りしなくてはならなくなりました(自殺と蘇生)。

しかも! それまでは頂上まで行けば救われるかもしれないという望みがありました。

でも1度足を止めてしまったコンスタンティンを頂上で待っているのはは「山々の絶景」や「水」や「休息」や「達成感」ではありません。

待っているのは……1枚の切符。それには「GTH」と書かれています。

Go To Hell!

そりゃあやってられないでしょう。死の原因の煙草の本数だってちっとも減りません。日常でジェントルマンに振舞ったって、地獄行きが取り消しになるわけでもなし。

それでも辛く険しい山登りを続けなきゃならない。それも頂上まであと1年で辿り着くこともわかっている。そして、たどり着いたらGTH。

そんな暗闇の山道に一筋の光が! 
この世にまぎれ込んだ悪の使者を地獄に送り返すことで、天国への切符を手に入れることができるかもしれない。

コンスタンティンは自分が救われるために、せっせと悪の使者を地獄へ送り返しつづけているのです。


■共感しあう二人 

アンジェラの双子の妹イザベルはコンスタンティンのようにこの世のものではない姿が見えたといいます。

イザベルの自殺の謎を解いてほしいとアンジェラに依頼されたコンスタンティンは、はじめはそれを冷たくあしらいます。

でも、悪魔の手先たちが狙っているのが自分ではなくアンジェラだとわかると、最近感じていた「異変」と関連がありそうだとピンときて彼女と行動を共にするようになります。

コンスタンティンは異変の謎を解くという目的でアンジェラと一緒にいるうちに、今までには経験したことのない共感という感覚を味わっていきます。

なぜならアンジェラも実はこの世のものではない姿を観ることができる人だったからです。

コンスタンティンは地獄を行ったり来たりします。そしてアンジェラもコンスタンティンの手助けで地獄をみてくるのです。

コンスタンティンに山登りの連れができました。しかも頂上にいけばなにかが変わるかもしれないという希望もできました。

それに、調べていくうちに、たいへん恐ろしいことが起ころうとしていることをつきとめるのです。


■ 世界観を理解するするための予備知識 

では世界観(登場キャラクター、物、その他)を解説しましょう。

▽ロンギヌスの槍(運命の槍)
十字架にかけれれたイエスの脇腹を刺したとされる槍。この槍を持つ者は世界の運命を握ることができるとされる。

▽地獄の聖書
地獄版の聖書。

▽黙示録
新約聖書の最後に収められているヨハネの黙示録のこと。旧約聖書のダニエル書とともに予言の書といわれる。この世の終わり(週末)についての予言が書かれている(3天使の使命等)。予言は難解で、その解読にはいろいろな説がある。
 
▽マモンの印
ルシファーの子マモンの印

▽ルシファー
サタン。元は天使の長。神に嫉妬して反乱を企て、地に投げ落とされた。さらに地獄の底へと落とされた。
 
▽蛇
サタンを象徴するもの。エデンの園でアダムとイヴに禁断の木の実をたべるようにすすめたのは蛇。蛇はきれいで空も飛べたが、人間を誘惑したため地を這いずる生物とされた。

▽蝿(虫)
サタンを象徴するもの。蝿の王ベルゼブブ。キリスト教の7つの大罪では暴食を象徴する。7つの大罪(憤怒・嫉妬・高慢・肉欲・怠慢・強欲・大食)については映画「セブン(デヴィッド・フィンチャー監督)」の冒頭シーンにも「暴食」を象徴するシーンがある。

▽ハーフ・ブリード
天使でも悪魔でもない。天国と地獄からの使者。人間の耳元で囁き掛け間接的にそれぞれの道へ導こうとする。
人間の世界に入り込んでいる。悪魔のハーフ・ブリードは聖水を浴びると力が弱まる。そのため、コンスタンティンの部屋の窓際には聖水が入ったボトルがたくさん置かれている。

▽ドラゴンの息
コンスタンティンが使う武器。炎を噴き出す。

▽聖なるショットガン
コンスタンティンが使う武器。十字架像から作られたショットガン。悪魔や悪魔のハーフ・ブリードを蒸発させて地獄へ送り返す効果がある。

▽悪魔祓いの封印
コンスタンティンが悪魔祓いの儀式に使う紋章


■ キアヌのファンならとりあえず観てOK 

キアヌ・リーブスのファンなら予備知識なしで観ても楽しめるでしょう。
ミュージックビデオ出身の監督作品ということもあって、映像によって作り上げた世界は雰囲気が統一しています。独特の世界観や映像が好きな方にも向いています。

俳優に思い入れはないし、キリスト教のこともたいして興味ないという方。「マトリックス」風のスケール感を期待する方。「マトリックス」を読み解くように深く哲学的に分析・解析したい方。これらの方々にはあまり向かないでしょう。

原作は「スーパーマン」「バットマン」で有名なDCコミックのアメコミ「ヘルブレイザー(Hellblazer)」です。

【注】登山の部分は「例え」です。実際の作品内容ではありません。


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